基本的なことですが、まとめてみたいと思います。
加算要件
夜勤人数を確保することは加算要件を満たすために絶対条件です。なので
ハード制約 とします。
欠勤者が出たとしても、人数だけは揃えなくてはいけません。これも、機械的方法で出来るので、練習しておいて頂きたいと思います。
看護品質の担保
これには、列制約で色々加えることになります。
夜勤についてその胆は、レベルの平準化にあります。スタッフのレベルは様々で、新人も居れば、異動してきた人もいる、長くその病棟にいるベテランも居ます。特定の日に、若手やベテランが集中しないようにすることがレベルの平準化になる訳です。具体的な実装は、下記をご覧ください。
①各チームがバランス良く配置されている(Ex.Aチーム1名以上をハード制約、出来れば2名以上をソフト制約)
②新人を夜勤人数にカウントしない
③夜勤は、若手が2人以下
③一定レベル以上のスタッフが夜勤に含まれる
④一定レベル以上のスタッフが夜勤に複数含まれない
等が参考になるでしょう。
看護師QOLの担保
コマ数チェック
は、是非ルーチンとして行って頂きたい作業です。
その上で、各スタッフの多様な働き方をスタッフプロパティ
として記述していけばよいのです。
こちらは、全てソフト制約とするのが一般的です。
以上の手順を踏めば、後は従来の良いと思う勤務パターンを予定として書き込んで行ってもも良いのです。
求解すれば、その後勤務表完成後の未来「どんなに頑張ってもこれ以上に良くなる未来はありませんよ。」という解が示されるので無駄な勤務パターンを書いては徒労に終わる、という従来の問題はありません。許容できる手前まで戻って、再び始めればよい訳です。ときには、解を部分的に取り込みつつ、望みの勤務表を短時間で完成させることが出来ます。
毎回、同じような予定書き込みになる、というのなら、そこを制約化対象になるかもしれません。その判断は、制約化の時間との天秤によります。
いずれにせよ、従来と変わらない手順で行っても、従来以上の看護師QOLになる筈です。日本の看護師勤務表の良いと思うところは、個々のスタッフの多様な働き方に寄り添うことだと思います。個々の職場で、何が俯瞰的公平かは異なると思うので、定量的な評価は難しいとは思います。しかし、そのような議論がコミュニティでなされ、日本全体として、より幸せ方向にベクトル化されることを期待したいと思います。
その議論は、物理限界まで最適化がされる、ということが前提になります。ソフトの性能で配置出来なかったり、看護師QOLが悪化したなら、上記評価は、ソフトの性能に依存した結果となってしまい議論のベースが崩れてしまうからです。